「面白い」を創る
仕事でも、プライベートでも、自分の昔からの目標は「面白い」を創ること。 ゲームを創る職についているので、今回はゲームの話が中心となる。
「面白い」とは?
Flappy Birdや2048のようなゲームが見せてくれたように、 根本的な面白い要素さえあれば、どんなシンプルなゲームでも大ヒットする可能性がある。 むしろ、これらのゲームは最もシンプルであることが必須で、根本の面白さの邪魔をする要素がない、というのも成功の要因だと言える。
Threesの製作者は、凄まじい量のブレストと改善を行った上でゲームをリリースした。 その途中で、いずれ2048としてリリースされるゲームシステムを検討したが、彼らの思う「良いゲーム」の定義に当てはまらなく、ボツにされた。 2048のシステムだと、一つの角に寄せて操作すると簡単に高得点が出せるので、それが「正しい」遊び方になってしまう。 おそらく、彼らはゲームとしての深みを重視して、それがゲームの良さを損なうと考え、別のシステムを創った。
結果としては、ゲームの「良さ」を損なうと疑われた要素はゲームの「面白さ」につながり、単純な方のシステムを適用した2048が全世界で大ヒットした。 実際Threesのゲームとしてのクオリティーはかなり高く評価されていて、Threesを否定するわけではない。 ただ、いくら客観的に見てThreesが良いゲームであっても、「2048の方が面白い」と思った人の方が多かった。
「面白い」を探す
残念なことに、「面白い」は捕えにくい。一生懸命探せば探すほど、見つからない。 それを見つけるにはとてもクリエイティブな思考が必要で、たまたま得た発想が案外、有益をもたらすことが多い。
自分が新しい物を創る時、なにが面白くなりそうかを考えることに必ずなる。 ただ、これがうまく行くとは限らず、面白い発想が出ない悪循環にもなり得る。
万人の受けを予想しようとすると、現在万人受けしている物を参考にせざるを得ない。 考え始める前から、すでに枠の中に入ってしまっているわけだ。 プロセスはおそらく以下のようになる:
- 人気がある物を見る
- なぜそれが面白いかを分析する
- その面白さを、新しい形で再現する
「新しい形」のところで近道をしている人がありふれたパクリゲームを作ることになるわけだが、 真面目に新しく考えようとしても、既存の物から思考がスタートしている時点で、創れる物の幅が狭くなってしまう。
「面白い」を発見する
プロセスはこうあるべきだ:
- 新しい発想を得る
- それを面白くする方法を考える
- その面白さに集中して、余計な要素を無くす
奇跡的に、ポケモンフュージョンはこれを果たしていると思う。 ある日その単純な発想が頭に浮かんで、そこに見つけた面白さはシンプルなサイトでも伝わる物だった。
新しい発想を得ることは簡単ではなく、自分ももっと簡単にする方法を探している。 一番大事なことは、自分が興味のあるものを推し進めることだと思う。 「興味深い」の先には必ず「面白い」があると考えていて、そこに行き着くためには自らの熱意が必要。
その先で「面白い」を見つけることができたら、多分それは自分しか見つけることが出来なかった新しい「面白い」であろう。